第三回 九州大学 産業技術数理研究センター ワークショップ
[兼 第三回 連成シミュレーションフォーラム]
「自然現象における階層構造と数理的アプローチ」
Hierarchical Structures in Nature: how we can approach them in mathematics
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講演アブストラクト: 福本 康秀 (九州大学大学院 数理学研究院)

講演日時:
2008年3月8日10:30-12:00
講演題目:
渦流の3次元不安定性とそれよって誘導されるドリフト流: ラグランジュ的アプローチ (発表資料)
要旨:
ほとんどすべての流れは3次元撹乱に対して不安定で, 撹乱の非線形相互作用によって大小さまざまなスケールの乱れが生成され, それらが発達して乱流状態にいたり,ときに崩壊する. このような複雑な流れの計算を可能にする数理モデル化が求められている. 基本流のもつ渦度が空間的に非一様ならば, 連続スペクトルがあらわれて線形不安定性の記述すら容易ではないが, 一様な渦度分布に対しては, 線形不安定モード(無限個ある)はある程度とらえることができる [1,2]. しかし,攪乱同士の相互作用が平均流におよぼす影響をはじめ非線形段階については, それを記述する数学的道具が欠如している状況にある. 通常のオイラー的記述の枠組みでは,弱非線形安定性の解析は煩雑きわめる. 最近,廣田真らは,流体粒子の変位を基本変数とするラグランジュ的記述によって 弱非線形段階まで系統的に進める糸口をつけた [3]. 背後には縮退したハミルトン構造がある. コリオリ力を受けた回転流の3次元不安定性を例に, 現在進めている試み[4] について紹介する.
キーワード:
パラメータ共鳴,ハミルトン的スペクトル,ドリフト流,弱非線形安定性, 波・平均流相互作用.
参考文献:
[1] Y. Fukumoto, "The three-dimensional instability of a strained vortex tube revisited", J. Fluid Mech. Vol.493 (2003) 287-318.
[2] Y. Fukumoto and Y. Hattori, "Curvature instability of a vortex ring", J. Fluid Mech. Vol.526 (2005) 77-115.
[3] M. Hirota and Y. Fukumoto, "Energy of hydrodynamic and magnetohydrodynamic waves with point and continuous spectra", submitted to J. Math. Phys. (2007).
[4] M. Hirota, Y. Fukumoto and M. Adachi, "Global linear stability analysis of a rotating fluid columns subjected to a weak external Coriolis force," in preparation.

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